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帯状疱疹ワクチン【2026年最新】シングリックスの効果は10年以上・認知症や心筋梗塞の予防効果も?川口市の助成を医師が解説

帯状疱疹ワクチン【2026年最新】シングリックスの効果は10年以上・認知症や心筋梗塞の予防効果も?川口市の助成を医師が解説|川口市安行吉岡の内科・循環器内科・糖尿病内科|ちねん内科クリニック

2026年11月05日

帯状疱疹ワクチン【2026年最新】シングリックスの効果は10年以上・認知症や心筋梗塞の予防効果も?川口市の助成を医師が解説

2026年11月5日|ちねん内科クリニック(川口市安行吉岡)

「帯状疱疹(たいじょうほうしん)のワクチン、打ったほうがいいの?」——外来でこの質問を受ける回数が、この1〜2年でずいぶん増えました。2025年4月から帯状疱疹ワクチンが国の定期接種になり、川口市では50歳以上の方全員が費用の助成を受けられるようになったことに加え、「認知症や心筋梗塞・脳卒中の予防につながるかもしれない」という研究が相次いで報告され、帯状疱疹ワクチンは今、医療の世界でもっとも注目されているワクチンの一つになっています。

この記事では、循環器内科医の立場から、当院が接種の中心にしているシングリックス(不活化ワクチン)を軸に、「どれくらい効くのか」「効果はどれくらい続くのか」「認知症・心血管病予防の最新エビデンスはどこまで分かっているのか」「副反応は」「川口市の助成を使うといくらになるのか」を、2026年11月時点の情報でまとめました。

この記事のポイント
  • シングリックスの帯状疱疹予防効果は50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%。つらい後遺症(帯状疱疹後神経痛)も約9割減らします
  • 効果は10年以上持続。接種後11年目でも82%の予防効果が保たれていました(2024年に公表された最終解析)
  • 認知症が約20%減、心筋梗塞・脳卒中が16〜23%減という報告が、2024〜2025年にかけて主要医学誌・学会で相次いでいます(いずれも研究段階)
  • 川口市では50歳以上の方全員に1回1万円(2回で2万円)の助成。当院の自己負担は1回12,000円×2回です(通常22,000円×2回)

1. 帯状疱疹とは——「3人に1人」がかかる身近な病気

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスが原因です。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体から消えるわけではなく、背骨の近くにある神経の根元(神経節)に何十年も静かに潜伏しています。日本の成人の9割以上がこのウイルスを持っています。

加齢や疲れ、ストレス、病気や薬で免疫のはたらきが落ちると、潜んでいたウイルスが再び目を覚まし、神経に沿って皮膚まで出てきます。これが帯状疱疹です。体の片側に、ピリピリ・チクチクした痛みが先行し、数日後に赤い発疹と水ぶくれが帯のように広がるのが典型的な経過です。

帯状疱疹が起こるしくみ:子どもの頃の水ぼうそうのウイルスが、免疫低下で再び活動する帯状疱疹が起こるしくみ1子どもの頃に水ぼうそう治った後もウイルスは神経の根元に潜み続ける2免疫免疫のはたらきが低下加齢・疲れ・ストレス・病気50歳を過ぎると発症が急増3ウイルスが再び活動体の片側に帯状の発疹と強い痛み80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験帯状疱疹が起こるしくみ:子どもの頃の水ぼうそうのウイルスが、免疫低下で再び活動する帯状疱疹が起こるしくみ1子どもの頃に水ぼうそう治った後もウイルスは神経の根元に潜み続ける2免疫免疫のはたらきが低下加齢・疲れ・ストレス・病気50歳を過ぎると発症が急増3ウイルスが再び活動体の片側に帯状の発疹と強い痛み80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を経験
図1:帯状疱疹が起こるしくみ。子どもの頃の水ぼうそうのウイルスが神経に潜み、免疫の低下をきっかけに再び活動します。

発症のリスクは50歳を過ぎると急に高くなり、日本の大規模調査では80歳までに約3人に1人が経験するとされています。つまり、誰にとっても「他人事」ではありません。

怖いのは発疹より「あとに残る痛み」と合併症

帯状疱疹の発疹そのものは2〜4週間で治りますが、問題はその後です。

  • 帯状疱疹後神経痛(PHN):皮膚が治った後も、神経が傷ついたことによる痛みが3か月以上続く状態です。50歳以上で帯状疱疹になった方の約2割にみられ、「服がこすれるだけで激痛」「夜眠れない」という状態が数か月〜数年続くことがあります。一度PHNになると、治療は簡単ではありません。
  • 目・耳の合併症:顔に出た場合、角膜炎から視力低下を起こしたり(眼部帯状疱疹)、顔面神経麻痺や難聴・めまいを起こしたり(ラムゼイ・ハント症候群)することがあります。
  • 脳卒中・心筋梗塞のリスク上昇:帯状疱疹のウイルスは血管にも炎症を起こします。発症後の数週間〜数か月は脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まり、長期的にみても心血管イベントが約3割多いという報告があります。循環器内科医として、ここは特に見過ごせない点です。

抗ウイルス薬は発疹が出てから72時間以内に始めるのが理想ですが、治療を受けてもPHNを完全には防げません。だからこそ、「かからないようにする」=ワクチンによる予防がもっとも確実な対策なのです。

2. 帯状疱疹ワクチンは2種類——当院がシングリックスをおすすめする理由

日本で使える帯状疱疹ワクチンは2種類あります。「生ワクチン(ビケン)」と「不活化ワクチン(シングリックス)」です。名前は似ていますが、効果の強さと持続期間が大きく違います。

2種類の帯状疱疹ワクチンの比較:生ワクチン(ビケン)とシングリックス帯状疱疹ワクチンは2種類生ワクチン(ビケン)弱毒化した生きたウイルス接種回数帯状疱疹の予防効果効果の持続免疫が低下している方1回約50〜60%5年前後接種できない皮下注射年齢が上がるほど低下で効果が落ちていくステロイド・免疫抑制薬・抗がん剤などシングリックス不活化(組換え)・生きたウイルスを含まない接種回数帯状疱疹の予防効果効果の持続免疫が低下している方2回約97%10年以上接種できる筋肉注射・2か月あけて(6か月以内に)70歳以上でも約90%11年目でも82%の効果生きたウイルスを含まないため安心当院のおすすめ2種類の帯状疱疹ワクチンの比較:生ワクチン(ビケン)とシングリックス帯状疱疹ワクチンは2種類生ワクチン(ビケン)接種回数帯状疱疹の予防効果効果の持続免疫が低下している方1回約50〜60%5年前後接種できない皮下注射年齢が上がるほど低下で効果が落ちていくシングリックス当院のおすすめ不活化(組換え)・生きたウイルスを含まない接種回数帯状疱疹の予防効果効果の持続免疫が低下している方2回約97%10年以上接種できる筋肉注射・2か月あけて70歳以上でも約90%11年目でも82%の効果
図2:2種類の帯状疱疹ワクチンの比較。効果の高さと持続期間で、シングリックスが大きく上回ります。
生ワクチン(ビケン)シングリックス(不活化・組換え)
ワクチンの種類弱毒化した生きたウイルスウイルスの表面たんぱく質(gE)+免疫を高める成分(アジュバント)。生きたウイルスは含まない
接種回数1回(皮下注射)2回(筋肉注射)。1回目から2か月後、遅くとも6か月以内に2回目
帯状疱疹の予防効果約50〜60%(年齢が上がるほど低下)50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%
効果の持続5年前後で低下していく10年以上持続(11年目でも82%)
免疫が低下している方接種できない(ステロイド・免疫抑制薬・抗がん剤治療中など)接種できる
副反応比較的軽い注射部位の痛み、だるさ、発熱などがやや多い(多くは2〜3日で改善)
川口市の助成後の自己負担4,000円(1回)12,000円×2回=24,000円

費用だけをみれば生ワクチンのほうが安く済みますが、「効果の高さ」と「持続期間」を考えると、シングリックスのほうが明らかに優れています。せっかく接種するなら、しっかり・長く効くほうを——というのが当院の基本的な考え方です。免疫を抑える薬を使っている方や、持病で感染症が重症化しやすい方では、そもそも生ワクチンが使えないという事情もあります。

3. 90%以上の予防効果、10年以上の持続——データで見るシングリックス

シングリックスの効果は、世界18か国で行われた大規模な臨床試験で確かめられています。

  • ZOE-50試験(50歳以上・約1.5万人):帯状疱疹の発症を97.2%減らしました
  • ZOE-70試験(70歳以上・約1.4万人):70歳以上でも約90%の予防効果。帯状疱疹後神経痛(PHN)も約9割減らしました

「年齢が上がると免疫の反応が弱くなり、ワクチンが効きにくくなる」のがふつうですが、シングリックスは80歳以上でも効果がほとんど落ちないことが大きな特長です。

シングリックスの帯状疱疹予防効果の推移:接種後1〜4年で97%、6〜11年の平均で80%、11年目で82%。参考として生ワクチンは約50%シングリックスの予防効果は10年以上続く(50歳以上)100%50%0%97%80%82%約50%接種後 1〜4年ZOE-50試験接種後 6〜11年6年間の平均接種後 11年目2024年 最終解析参考:生ワクチン5年前後で低下出典:ZOE-50 / ZOE-70試験、ZOE-LTFU試験(接種後11年の最終解析、2024年)。生ワクチンは海外の大規模試験の成績シングリックスの帯状疱疹予防効果の推移:接種後1〜4年で97%、6〜11年の平均で80%、11年目で82%。参考として生ワクチンは約50%シングリックスの予防効果は10年以上続く(50歳以上)0%50%100%接種後1〜4年ZOE-50試験97%接種後6〜11年6年間の平均80%接種後11年目2024年 最終解析82%参考:生ワクチン5年前後で低下約50%出典:ZOE-50 / ZOE-70試験、ZOE-LTFU試験(2024年、最終解析)生ワクチンは海外の大規模試験の成績
図3:シングリックスの予防効果の推移(50歳以上)。接種後11年目でも82%の効果が保たれていました。

効果はどれくらい続くのか——11年間の追跡結果

上の2つの試験の参加者約7,000人をそのまま追跡した長期試験(ZOE-LTFU)の最終結果が2024年に公表されました。接種後6年目から11年目までの平均で79.7%、11年目の時点でも82.0%の予防効果が保たれていました。つまり、少なくとも10年以上は高い効果が続くことが確認されています。生ワクチンの効果が5年前後で落ちていくのと比べると、この差は決定的です。

追加接種(ブースター)は必要? 現時点では、2回の接種を終えた方への追加接種は推奨されていません。長期追跡は今も続いており、将来的に必要性が検討される可能性はありますが、「10年以上は効く」と考えて差し支えありません。

循環器内科医の視点

帯状疱疹の発症率は70〜80代でピークを迎えます。60代前半で接種しておけば、もっともリスクの高い年代をちょうどカバーできる計算になります。「まだ元気だから」と先送りするより、免疫の反応がよい60代のうちに打っておくことをおすすめしています。

4. 【最新】認知症の予防効果——研究段階ながら、有望な報告が続いている

2024年から2025年にかけて、帯状疱疹ワクチンと認知症の関係を調べた研究が、世界トップクラスの医学誌に相次いで掲載されました。帯状疱疹ワクチンが「脳を守る」可能性が本格的に議論されるようになったのは、これらの研究がきっかけです。

帯状疱疹ワクチンの認知症・心血管病に対する効果の最新研究:認知症の診断20%減(Nature 2025)、シングリックスで17%減(Nature Medicine 2024)、心血管イベント16〜18%減(ESC 2025)帯状疱疹ワクチンの「もう一つの効果」——最新の研究報告いずれも観察研究・自然実験(因果関係はまだ検証中)認知症の新しい診断7年間の追跡−20%英国ウェールズ 約28万人誕生日で接種の有無が分かれた「自然実験」(生ワクチン)Nature 2025認知症の診断シングリックス vs 生ワクチン−17%米国 約20万人・6年間認知症のない期間が平均164日延長Nature Medicine 2024心筋梗塞・脳卒中など心血管イベント−16〜18%9研究のメタ解析韓国127万人の研究では23%減・最長8年持続欧州心臓病学会(ESC)2025帯状疱疹ワクチンの認知症・心血管病に対する効果の最新研究:認知症の診断20%減(Nature 2025)、シングリックスで17%減(Nature Medicine 2024)、心血管イベント16〜18%減(ESC 2025)帯状疱疹ワクチンの「もう一つの効果」最新の研究報告いずれも観察研究・自然実験(因果関係は検証中)認知症の新しい診断7年間の追跡(生ワクチン)−20%英国ウェールズ 約28万人の「自然実験」誕生日で接種の有無が分かれた集団を比較Nature 2025認知症の診断シングリックス vs 生ワクチン−17%米国 約20万人・6年間認知症のない期間が平均164日延長Nature Medicine 2024心筋梗塞・脳卒中など心血管イベント−16〜18%9研究のメタ解析韓国127万人の研究では23%減・最長8年持続欧州心臓病学会(ESC)2025
図4:帯状疱疹ワクチンと認知症・心血管病に関する主な研究(2024〜2025年)。いずれも観察研究・自然実験で、因果関係は検証中です。

① ウェールズの「自然実験」——認知症の診断が20%減(Nature, 2025年4月)

英国ウェールズでは、2013年に帯状疱疹ワクチンの公費接種が始まった際、「1933年9月2日以降に生まれた人は対象、それより前に生まれた人は生涯対象外」という、誕生日で線を引く珍しいルールが採用されました。スタンフォード大学の研究チームは、この誕生日が1週間違うだけで接種の有無が分かれた約28万人を比較しました。健康意識や生活習慣がほぼ同じ集団どうしを比べられるため、通常の観察研究より格段に信頼性の高い「自然実験」とされています。

結果は、ワクチンを受けた人で7年間の認知症の新規診断が20%少ない(絶対差で3.5ポイント)というものでした。効果は女性でより大きく、研究チームは「ワクチンと認知症の因果関係を示す、これまでで最も強い証拠」と述べています。ただし、この研究で使われたのは旧世代の生ワクチンです。

② シングリックスは生ワクチンよりさらに有利——17%減(Nature Medicine, 2024年7月)

米国では2017年10月に生ワクチンからシングリックスへ一斉に切り替わりました。オックスフォード大学の研究チームは、この切り替え前後に接種した約20万人を比較し、シングリックスを受けた人は生ワクチンを受けた人より認知症の診断が17%少なく、認知症と診断されるまでの期間が平均164日延びていたと報告しました。インフルエンザワクチンや破傷風ワクチンと比べても、シングリックスで認知症が23〜27%少ないという結果で、「帯状疱疹ワクチンに特有の効果」である可能性が示されています。

③ オーストラリアでも再現、さらに「進行を遅らせる」可能性も

2025年にはオーストラリアでも同様の自然実験が行われ、ウェールズと同じ方向の結果が再現されました(JAMA, 2025年)。さらに2025年12月には、スタンフォード大学の同じチームが、すでに認知機能の低下が始まっている人でもワクチン接種で認知症による死亡が約30%少なかったと報告し(Cell, 2025年)、「予防」だけでなく「進行を遅らせる」可能性にまで研究が広がっています。

なぜ帯状疱疹ワクチンが認知症に関係するのか

はっきりした仕組みはまだ分かっていませんが、2つの仮説が有力です。一つは、潜伏しているウイルスが(発疹を伴わない軽い再活性化も含めて)繰り返し神経や脳の血管に炎症を起こし、それが認知症の進行を後押ししているという説。もう一つは、ワクチンが免疫全体を刺激して、脳の炎症を抑える方向にはたらくという説です。帯状疱疹を2回以上経験した人ほど認知症が多いという報告もあり、「ウイルスの再活性化を防ぐこと」が脳を守ることにつながる、という考え方は年々説得力を増しています。

正直にお伝えしておきたいこと:これらはいずれも観察研究・自然実験で、ワクチンを打つ人と打たない人をくじ引きで分ける「ランダム化比較試験」はまだ行われていません(現在、計画が進められています)。「認知症予防のために打ちましょう」と断言できる段階ではなく、帯状疱疹を防ぐという確実な利益に加えて、脳を守る効果も期待できるかもしれない——というのが、2026年11月時点での誠実な説明だと考えています。

5. 【最新】心筋梗塞・脳卒中の予防にも?——循環器内科医が注目する理由

帯状疱疹のウイルスは神経だけでなく血管の壁にも入り込み、炎症を起こします。帯状疱疹になった後しばらくは脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなることは以前から知られていました。ならば、ワクチンで帯状疱疹を防げば心血管病も減るのではないか——この仮説を検証した研究結果が、2025年に続けて発表されました。

  • 欧州心臓病学会(ESC)2025年学術集会(8月・マドリード):帯状疱疹ワクチンと心血管イベントに関する世界初の系統的レビュー・メタ解析(9研究)。ワクチン接種者は心筋梗塞・脳卒中などの心血管イベントが18%少なく(50歳以上では16%減)、1,000人・年あたり1.2〜2.2件のイベントが減る計算でした。
  • European Heart Journal(2025年5月):韓国の約127万人を追跡した研究で、帯状疱疹ワクチン(生ワクチン)の接種者は心血管イベントが23%少なく、効果は接種後2〜3年で最大、その後も最長8年間続いていました。心不全や冠動脈疾患の減少もみられています。
  • 同じ2025年、ESCは「ワクチン接種は降圧薬・コレステロールの薬・糖尿病の薬に並ぶ心血管病予防の第4の柱」とする声明を発表し、インフルエンザワクチンとともに帯状疱疹ワクチンを取り上げています。
循環器内科医の視点

高血圧・糖尿病・脂質異常症・心臓病の治療中の方にとって、帯状疱疹は「皮膚の病気」ではなく「心筋梗塞や脳卒中の引き金になりうる病気」です。当院が血圧・血糖・コレステロールの管理と同じ目線で帯状疱疹ワクチンをおすすめしているのは、そのためです。

もちろん、心血管病の予防効果も認知症と同じく研究段階で、メタ解析の大半は観察研究、資金提供もワクチンメーカーによるものです。因果関係が確定したわけではありません。それでも、「帯状疱疹を防ぐ」という確実な効果の上に、血管と脳を守る効果が上乗せされる可能性がある——これが、私がこのワクチンを特に心臓・腎臓の患者さんにすすめる理由です。

6. 副反応と安全性——「痛み」と「だるさ」はあるが、2〜3日で治まる

シングリックスは免疫をしっかり刺激するぶん、副反応は生ワクチンよりやや多めです。事前に知っておくと、慌てずに済みます。

症状頻度の目安経過・対処
注射した部位の痛み約8割腕を上げにくいほど痛むこともありますが、2〜3日で改善。冷やしてもOK
注射部位の赤み・腫れ約3〜4割数日で消えます
筋肉痛・だるさ約4割接種当日〜翌日が中心。無理せず休養を
頭痛約3割市販の解熱鎮痛薬を使って構いません
発熱・悪寒約2割多くは37℃台。38℃を超えることもありますが1〜2日で下がります
  • 日常生活に支障が出るほど強い反応は1〜2割の方にみられますが、ほとんどは2〜3日以内に治まります
  • 2回目のほうが反応が出やすい傾向があります。接種翌日に大事な予定を入れないのがコツです
  • 重いアレルギー反応(アナフィラキシー)は100万回の接種に0.15回程度と、きわめてまれです
  • 11年間の長期追跡でも、新たな安全性の問題は見つかっていません

接種できない方・注意が必要な方

  • 過去にシングリックスやその成分で重いアレルギー反応を起こした方
  • 接種当日に37.5℃以上の発熱がある方、急性の病気にかかっている方(治ってから接種します)
  • 妊娠中の方(データが十分でないため、原則として出産後に接種します)
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は接種できます。注射のあと、接種部位をしっかり押さえていただきます
  • 免疫を抑える薬(ステロイド・免疫抑制薬・生物学的製剤・抗がん剤)を使っている方も接種できます。生ワクチンと違い、生きたウイルスを含まないためです

7. 費用と川口市の助成——50歳以上は全員、1回1万円(2回で2万円)の助成

2025年4月から、帯状疱疹ワクチンは予防接種法にもとづく定期接種になりました。対象は65歳の方(経過措置として2029年度までは70・75・80・85・90・95・100歳になる年度の方も対象)と、60〜64歳で免疫機能に重い障害がある方です。

川口市はこれに加えて、定期接種の対象にならない50歳以上の方にも任意接種の費用助成を続けています(2024年度に開始、2026年度も継続)。つまり川口市では、50歳以上の方なら誰でも助成が受けられることになります。

シングリックスの費用:1回22,000円のうち川口市の助成10,000円、自己負担12,000円。2回合計の自己負担は24,000円シングリックスの費用(当院・川口市の助成を使った場合)1回目川口市の助成 10,000円自己負担 12,000円計22,000円2回目川口市の助成 10,000円自己負担 12,000円計22,000円※2回目は1回目の2か月後(遅くとも6か月以内)2回合計の自己負担24,000円通常料金 44,000円(22,000円×2回)助成で合計20,000円おトク対象:接種日に川口市に住民票のある50歳以上の方(定期接種・任意接種とも同額。助成は生涯1回限り)シングリックスの費用:1回22,000円のうち川口市の助成10,000円、自己負担12,000円。2回合計の自己負担は24,000円シングリックスの費用(当院・川口市の助成を使った場合)1回目通常料金 22,000円川口市の助成10,000円自己負担12,000円2回目通常料金 22,000円川口市の助成10,000円自己負担12,000円※2回目は1回目の2か月後(遅くとも6か月以内)2回合計の自己負担24,000円通常 44,000円 → 助成で合計20,000円おトク対象:接種日に川口市に住民票のある50歳以上の方(定期接種・任意接種とも同額。助成は生涯1回限り)
図5:川口市の助成を使った場合のシングリックスの費用(当院)。2回合計の自己負担は24,000円です。
ワクチン通常料金(当院)川口市の助成自己負担
シングリックス(2回接種)22,000円×2回
=44,000円
10,000円×2回
=20,000円
12,000円×2回
=24,000円
生ワクチン(ビケン)(1回接種)——4,000円(川口市の定める自己負担額)

※定期接種(65歳など)の方も、任意接種(50〜64歳など)の方も、川口市の自己負担額は同じです。定期接種の対象で生活保護を受給中の方は自己負担が免除されます。

助成を使うときの注意点

  • 対象は接種日に川口市に住民票がある50歳以上の方です
  • 助成は生涯に1度限り(定期接種・任意接種のどちらか一方)。過去に市の助成を使って接種した方は、2回目以降は全額自己負担になります
  • 任意接種は市内の委託医療機関のみが対象です(当院は委託医療機関です)
  • シングリックスの2回目は1回目の2か月後が標準で、遅くとも6か月以内に接種します。年度内(2027年3月31日まで)に2回とも終えるには、2027年1月末までに1回目を済ませておくと安心です
  • 65歳・70歳などの定期接種の方は、対象となる年度のうちに接種しないと、その後は対象外になります
  • 川口市以外にお住まいの方は、お住まいの自治体の助成制度をご確認ください(近隣では蕨市・戸田市などにも助成があります)

面倒な手続きはありません。川口市にお住まいの50歳以上の方は、当院に直接ご予約ください。予診票は院内にご用意しています。

8. こんな方には特におすすめします

  • 50歳以上のすべての方——特に発症率が上がる60代以降の方
  • 糖尿病・慢性腎臓病・心臓病・COPD(肺の病気)などの持病がある方:帯状疱疹にかかりやすく、重症化しやすいうえ、心血管イベントの引き金にもなります
  • ステロイド・免疫抑制薬・生物学的製剤・抗がん剤による治療中、または治療を予定している方(生ワクチンは使えませんが、シングリックスは接種できます)
  • 過去に帯状疱疹になったことがある方:帯状疱疹は数%の方で再発します。接種で再発を防げます
  • 以前に生ワクチンを接種した方:5年以上たっていれば、効果が落ちている可能性があります。シングリックスの追加接種をご検討ください
  • 今年度65歳・70歳・75歳・80歳……になる方:定期接種の対象です。年度内にぜひ

9. よくあるご質問

帯状疱疹にかかったことがあります。それでも接種したほうがよいですか?

はい。帯状疱疹は一度かかっても再発することがあり、ワクチンで再発を防ぐことができます。発症直後は自然に免疫が高まっているため、治ってから半年〜1年ほどあけて接種するのが一般的です。

以前に生ワクチン(ビケン)を打ちました。シングリックスも打てますか?

打てます。生ワクチンから5年以上たっていれば、効果が落ちている可能性が高いため、シングリックスの接種をおすすめします。ただし、川口市の助成は生涯1度限りなので、以前の接種で助成を使った方は全額自己負担(22,000円×2回)になります。

2回目を忘れて、6か月を過ぎてしまいました。

1回目からやり直す必要はありません。気づいた時点で2回目を接種してください。2回目を打たないと十分な効果が得られないため、必ず2回受けましょう。

インフルエンザや肺炎球菌のワクチンと同じ日に打てますか?

可能です。インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、新型コロナワクチンなどと同じ日に、別の腕に接種できます。通院の回数を減らしたい方は、予約時にご相談ください。

50歳未満でも接種できますか?

シングリックスは、18歳以上で帯状疱疹になるリスクが高い方(免疫を抑える治療中の方など)にも使えます。ただし川口市の助成は50歳以上が対象です。該当する可能性のある方は診察時にご相談ください。

接種当日の入浴や飲酒、運動は?

入浴は問題ありません。激しい運動や深酒は当日は控えてください。接種した腕は、動かしたほうが痛みが早く引きます。痛みや発熱には市販の解熱鎮痛薬を使って構いません。

痛みに弱いのですが、大丈夫でしょうか。

注射そのものの痛みはほかのワクチンと大きく変わりません。接種後1〜3日は腕の痛みやだるさが出やすいので、翌日に重要な予定を入れない日を選ぶとよいでしょう。つらければ解熱鎮痛薬を使ってください。

10. 当院での接種の流れ

  1. ご予約:お電話またはWEBからご予約ください。ワクチンのみの受診の場合、初診料はかかりません。
  2. 当日:予診票をご記入いただき、医師が体調を確認します。持病や内服中の薬をお伝えください。
  3. 接種:上腕に筋肉注射します。接種後15〜30分ほど院内でお待ちいただき、体調に問題がなければ終了です。
  4. 2回目の予約:1回目の接種日に、2か月後の2回目の日程をお取りします。

11. 帯状疱疹ワクチンのご相談は、ちねん内科クリニックへ

ちねん内科クリニック(内科・循環器内科)

当院では、帯状疱疹ワクチン(シングリックス)のほか、肺炎球菌・RSウイルス・インフルエンザ・新型コロナなど、大人のワクチン接種に力を入れています。「どのワクチンを、どの順番で受ければよいか」を、持病や治療内容をふまえて一緒に整理しますので、お気軽にご相談ください。

  • 所在地:埼玉県川口市安行吉岡
  • 診療時間:9:00〜13:00/15:00〜18:00
  • 休診日:金曜・土曜(日曜は午前のみ)
  • 帯状疱疹ワクチン(シングリックス):1回22,000円 → 川口市の助成で1回12,000円(2回で24,000円)
ご予約・アクセスはこちら

この記事の執筆者:知念 大悟(ちねん内科クリニック 院長)

循環器内科医。埼玉県川口市安行吉岡で内科・循環器内科のクリニックを開業し、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病と、睡眠時無呼吸症候群の診療を行っています。「血糖・血圧・コレステロールを整えて、心臓と腎臓を10年先まで守る」ことを診療の軸にしています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。認知症・心血管病に対する効果は研究段階の知見であり、効果を保証するものではありません。費用・助成の内容は2026年11月時点の情報です。最新の情報は川口市のホームページまたは当院にご確認ください。

参考文献
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