CKDは、早く見つけて治療を始めるほど、進行を抑えられる病気です。eGFRと尿蛋白の推移で腎臓の状態を評価し、生活・血圧・薬物による治療で進行を抑え、透析と心臓・血管の病気のリスクを減らすことをめざします。
腎機能によって、使える薬や量も変わります。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)
eGFR低下・クレアチニン高値・尿蛋白を指摘された方へ

CKDは、早く見つけて治療を始めるほど、進行を抑えられる病気です。eGFRと尿蛋白の推移で腎臓の状態を評価し、生活・血圧・薬物による治療で進行を抑え、透析と心臓・血管の病気のリスクを減らすことをめざします。
腎機能によって、使える薬や量も変わります。
※市販薬・サプリメントを使っている方は、その内容もお知らせください。
※紹介状がなくても受診できます。
「eGFRが少し低いですね」「クレアチニンが高めです」「尿蛋白±」。
健診でこう言われても、何をすればいいのかわからないまま、結果票を引き出しにしまっていませんか。
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。むくみ、だるさ、貧血などの自覚症状は、腎機能がかなり低下するまで現れないことがあります。慢性的に低下した腎機能は、一般に元へ戻りにくいことがわかっています。
しかし、悲観する必要はありません。早い段階でみつけ、血圧・糖尿病・薬剤・生活習慣を適切に整えることで、低下のスピードを遅らせられる可能性があります。
腎臓を守る治療の多くは、生活習慣病の診療と重なります。「腎機能が少し低い」と言われた今が、治療の始めどきです。
腎機能の指標であるeGFRが60mL/min/1.73m²未満、または尿蛋白などの腎障害の所見が3か月以上続く状態を、慢性腎臓病(CKD)といいます。国内の患者数は約2,000万人、成人のおよそ5人に1人と推計されています。
eGFRは、年齢・性別・血清クレアチニン値から推定した「腎臓が血液をろ過する力」の指標です。正常機能が何%残っているかをそのまま示す数字ではありません。1回の値だけでなく、過去からの推移、尿蛋白、体格や筋肉量もあわせて判断します。
2024年末の国内の慢性透析患者は337,414人、2024年に新たに透析を始めた方は36,404人でした。新規導入の原疾患は糖尿病性腎症37.6%、腎硬化症19.1%、慢性糸球体腎炎13.5%で、高血圧や糖尿病の長期管理が重要です。
CKDで注意すべきなのは、透析だけではありません。腎機能低下や尿蛋白は、心筋梗塞・心不全・脳卒中のリスク上昇とも関連します。腎臓と心臓は互いに影響し合うため(心腎連関)、血圧・糖尿病・脂質・心臓の状態を一体で評価します。
だからこそCKDの診療では、「腎臓を守ること」と「心臓・血管を守ること」を一体で行う必要があります。循環器と生活習慣病の両方を診る当院が、力を入れている領域です。

かつてCKDの治療は、血圧の管理(腎臓を守るタイプの降圧薬)と食事・生活の見直しが中心で、それでも進行を止めきれないことが課題でした。いまは、進行そのものを抑えにいく薬があります。
SGLT2阻害薬は、糖尿病の有無にかかわらず、腎機能が低下していくスピードを抑えることが大規模臨床試験で示され、CKD治療の中心的な薬になりました。
糖尿病を合併するCKDでは、腎臓の炎症をおさえる非ステロイド型MRAや、腎臓を守る効果が示されたGLP-1受容体作動薬も加わり、選択肢はこの数年で着実に広がっています。
この領域は、いまも毎年のように大きな臨床試験の結果が発表され、標準治療が更新され続けています。新しい知見を追いかけ、適応とタイミングを見極めて診療に反映していく。その積み重ねを大切にしています。
eGFRは年齢とともに緩やかに下がるものです。問題は、下がるスピードです。過去の健診結果と比較し、あなたの腎機能がどのようなペースで変化しているかを評価します。
腎臓のダメージは、eGFRが下がるより先に尿蛋白として現れることが多くあります。糖尿病の方には、通常の尿検査ではとらえられないごく早期の変化をみる「微量アルブミン尿」の測定も行います。
高血圧・糖尿病によるものか、それ以外の腎臓病が隠れていないかを、尿の所見と血液検査で確認します。
減塩を含む生活改善と、病状に応じた血圧管理・薬物治療を行います。SGLT2阻害薬は、糖尿病の有無にかかわらず一部のCKDで腎機能低下を遅らせることが示されており、eGFR・尿蛋白・脱水リスクなどを確認して適応を判断します。腎機能に応じた薬の量や、発熱・下痢などのシックデイ対応もお伝えします。
心電図を基本に、症状・診察所見・既往歴に応じて心エコー等を行い、腎臓と心臓の両方を見据えて治療を組み立てます。
eGFRが30を下回る場合、蛋白尿が高度な場合、腎機能低下のスピードが速い場合、血尿を伴い腎炎が疑われる場合などは、腎臓専門医と連携して診療します。適切なタイミングで専門医におつなぎすることも、かかりつけ医の大切な役割です。
あります。治療のゴールは「元に戻す」ことだけではなく、「低下のスピードを抑え、いまの機能をできるだけ長く保つ」ことです。進行を遅らせるほど、透析や腎代替療法が必要になる時期を先送りし、生涯回避できる可能性を高められます。
自己判断での制限はおすすめしません。進行したCKDでは蛋白制限が有効な場合もありますが、必要以上の制限は筋肉量の減少を招き、特にご高齢の方ではかえって健康を損ないます。制限が必要かどうか、どの程度かは腎機能の段階によって異なるため、診察のうえ個別にお伝えします。
注意が必要です。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの痛み止め(NSAIDs)は、脱水時や腎機能低下がある方では腎臓に負担をかけることがあります。痛み止めをよく使う方は、薬の種類・頻度・腎機能を診察でご相談ください。
健診結果の用紙を、過去の分も含めてお持ちください。eGFRの「推移」は、腎臓の状態を知る重要な手がかりです。
他院で高血圧や糖尿病の治療中の方は、お薬手帳と直近の血液検査結果もご持参ください。
※紹介状がなくても受診できます。
TEL:048-290-8051