当院で接種できるワクチンのご案内
当院で接種できるワクチンのご案内
子どもの予防接種には母子手帳のスケジュールがありますが、大人には誰も教えてくれません。実際には、50歳、60歳、65歳と、節目ごとに受けておきたいワクチンがあり、65歳の肺炎球菌ワクチンのように、公費で受けられる期間が1年間しかないものもあります。
50歳から
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)。川口市の助成が使えます
60歳から
RSウイルスワクチン(アレックスビー)
肺炎球菌は、鼻やのどにふだんから住んでいる細菌で、体力や免疫が落ちたときに肺炎や敗血症、髄膜炎を起こします。高齢の方や、心不全・糖尿病・慢性腎臓病・COPDなどの持病がある方は重症化しやすく、肺炎そのものに加えて、入院中に心不全や腎機能が悪化することが少なくありません。
これまで65歳の定期接種に使われてきたニューモバックス(23価)は、効果が5年ほどで薄れるため再接種が必要なワクチンでした。2026年4月からは、免疫の記憶が長く残る結合型ワクチンのプレベナー20(PCV20)に切り替わり、1回の接種で完了します。現時点では、追加接種の推奨はありません。
キャップバックスは定期接種には使えず、任意接種(自費)になりますが、次のような方には積極的におすすめしています。
主な副反応は接種部位の痛み・腫れ、だるさ、筋肉痛で、多くは2〜3日で治まります。
帯状疱疹は、子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経の中に潜み、加齢やストレス、糖尿病などで免疫が低下したときに再び活動して起こります。50歳を過ぎると急に増え、80歳までに約3人に1人が経験します。
シングリックスは不活化(組換え)ワクチンで、2か月あけて2回接種します。帯状疱疹の発症を50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%防ぎ、帯状疱疹後神経痛も約9割減らします。接種後10年を超えても8割前後の効果が保たれていることが確認されており、免疫を抑える治療中の方にも接種できます。
2025年4月から帯状疱疹ワクチンは定期接種になりました。対象は、その年度に65歳になる方と、2029年度までの経過措置として70・75・80・85・90・95・100歳になる方です。
RSウイルスは、乳幼児の風邪や細気管支炎の原因としてよく知られていますが、60歳以上の方や心臓・肺に持病のある方では肺炎を起こし、心不全やCOPDの悪化を招きます。国内では65歳以上の方の年間約2%が感染し、入院率や死亡率はインフルエンザと同じ程度と報告されています。特別な治療薬はなく、予防が唯一の対策です。
アレックスビーは、2024年1月に国内で初めて発売された大人向けのRSウイルスワクチンです。60歳以上のすべての方と、重症化リスクの高い18〜59歳の方(心臓病、肺の病気、慢性腎臓病、糖尿病、慢性肝疾患、神経の病気、肥満など)が接種できます。1回の接種で、初めての冬に重い下気道の病気(肺炎・気管支炎)を約83%、持病のある方では約95%防ぎ、3シーズン通しても約7割の効果が続いています。
新型コロナウイルス感染症は「ただの風邪」にはなりきっていません。高齢の方や持病のある方では、肺炎だけでなく、感染をきっかけに心筋梗塞・脳梗塞・心不全の悪化が起こることが知られています。2024年度から、65歳以上の方と、心臓・腎臓・呼吸器の機能に重い障害のある60〜64歳の方は、毎年秋から冬に1回、定期接種(公費)で接種できます。日本感染症学会など3学会は、これらの方々への毎年の接種を強く推奨しています。
新型コロナワクチンは、その年の流行株に合わせて成分が更新されます。前の年に接種していても効果は時間とともに薄れるため、毎年の接種がすすめられています。インフルエンザワクチンと同じ日に、左右の腕に分けて接種できますので、秋の1回の来院でまとめることをおすすめしています。65歳未満の方や、定期接種の期間外の方は自費で接種できます。
インフルエンザにかかった後の1週間は、心筋梗塞を起こすリスクが約6倍に上がることが報告されています。心筋梗塞の直後にインフルエンザワクチンを接種すると、その後1年間の死亡や再発が約3割減ることも臨床試験で示され、欧州心臓病学会のガイドラインでは心臓病の方への接種が推奨されています。
効果が出るまでに約2週間かかり、約5か月続きます。流行は12月から3月ですので、10月から12月のうちに接種するのが理想です。
HPVワクチン(子宮頸がん予防)
小学6年生〜高校1年生相当の女性は定期接種(無料)です。当院では12歳以上の方に接種しています。15歳になる前に1回目を接種すると計2回、15歳以降の開始では計3回です
MR(麻疹・風疹)ワクチン
麻疹・風疹の流行時や、医療・介護・保育の実習や就職、海外渡航の前に。妊娠を考えている女性は、風疹の抗体が低ければ妊娠前の接種をおすすめします(生ワクチンのため、接種後2か月は避妊が必要です)
おたふくかぜワクチン
かかった記憶がない大人の方に
B型肝炎ワクチン
医療・介護職の方や、ご家族にB型肝炎の方がいる場合に。3回接種(初回、1か月後、6か月後)です
抗体検査
麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘・B型肝炎の抗体を調べてから、必要なワクチンを選ぶことができます

当院で扱うワクチンの多くは不活化ワクチン(組換え・mRNAを含む)で、同じ日に複数を接種でき、接種間隔の制限もありません。「秋はインフルエンザと新型コロナ」「それ以外の季節に帯状疱疹・肺炎球菌・RSウイルスを1本ずつ」というように、通院の予定に合わせて組み立てられます。MRやおたふくかぜなどの生ワクチン同士は、27日以上あける必要があります。組み合わせはご予約のお電話でご相談ください。
次にあてはまる方は、ご予約時またはご来院時にお知らせください。
接種後は、まれに起こる急なアレルギー反応に備えて、院内で15分ほどお待ちいただきます。
定期接種(公費)は65歳の1年間だけです。66歳以降は自費になりますが、1回で完了するキャップバックスまたはプレベナー20を接種できます。年齢が上がるほど肺炎のリスクは高くなりますので、「逃したから」とあきらめず、ご相談ください。
ニューモバックスの効果は5年ほどで薄れますが、同じワクチンを繰り返す必要はありません。1年以上あいていれば、キャップバックスまたはプレベナー20を1回接種することで、より広く、より長く続く予防ができます。
帯状疱疹は再発することがあります。一度かかった方も、症状が治まってから接種できます。
やり直す必要はありません。2回目は1回目から2〜6か月後が標準ですが、遅れた場合も、気づいた時点で2回目を接種すれば完了です。