いびき・日中の眠気・夜間のトイレは、心臓と血管のリスクサインです。検査はご自宅ででき、入院は不要です。
治療(CPAP)は保険診療で、生活習慣病の管理とあわせて通院できます。薬を飲んでも下がりにくい血圧の陰に、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群

いびき・日中の眠気・夜間のトイレは、心臓と血管のリスクサインです。検査はご自宅ででき、入院は不要です。
治療(CPAP)は保険診療で、生活習慣病の管理とあわせて通院できます。薬を飲んでも下がりにくい血圧の陰に、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。
※CPAP治療中で転院をご希望の方は、紹介状が必要です(詳しくは本文をご覧ください)。
保険診療で治療を引き継ぐため、現在の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)と、診断時の検査結果が必要です。
まずは現在の医療機関に「CPAP治療を転院したいので、紹介状と検査結果をお願いします」とお伝えください。お薬手帳と、お使いのCPAP機器のメーカー名がわかるものもあれば、あわせてお持ちください。
「いびきがうるさい」「寝ている間、息が止まっていた」
ご家族にそう指摘されたことはありませんか。あるいは、しっかり寝たはずなのに日中の眠気がとれない、朝起きると頭が重い。
それは「眠りの質」だけの問題ではありません。睡眠時無呼吸は、夜間の低酸素や血圧上昇を繰り返し、心臓と血管に負担をかける病気です。未診断・未治療の方が多いと考えられているため、症状や高血圧を手がかりに検査することが大切です。
睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)を繰り返す病気です。多くは、喉の空気の通り道が塞がって起こります(閉塞性)。
肥満は代表的な原因ですが、それだけではありません。日本人はあごが小さく気道が狭い骨格の方が多く、痩せていても、若くても起こります。飲酒や睡眠薬も悪化要因になります。
呼吸が止まるたびに、体は酸欠状態に陥ります。すると体は生命を守るために交感神経を働かせ、心拍数と血圧を跳ね上げて眠りを中断させます。これが一晩に何十回、何百回と繰り返されます。
本来、睡眠中は心臓と血管の休息時間です。その休息が毎晩失われ、血圧の高い状態が夜通し続くことになります。
睡眠時無呼吸は、高血圧・糖尿病・心房細動・心不全・脳卒中などと関連します。国内では中等症以上の睡眠時無呼吸が約900万人と推計される一方、治療を受けている方はその一部にとどまります。
また、未治療のままの重症の睡眠時無呼吸では、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントのリスクがおよそ2〜3倍に高まると報告されています。重症度、眠気、合併症、運転業務の有無を踏まえて、検査と治療の必要性を判断します。
特に知っていただきたいのが、高血圧との関係です。複数の薬を使っても血圧が下がりにくい方では、睡眠時無呼吸の合併が多いことが知られています。
夜間の無呼吸は診察室の血圧だけでは捉えにくいため、いびき・日中の眠気・早朝高血圧などを手がかりに検査します。無呼吸の治療により、血圧が改善する方もいます。
「薬が増えていくのに血圧が下がらない」「早朝の家庭血圧だけが高い」。当てはまる方は、一度ご相談ください。
これらは無呼吸のサインのことがあります。日中の眠気は交通事故のリスク上昇と関連するため、運転される方は早めにご相談ください。
まずは、ご自宅でできる簡易検査から。手の指と鼻にセンサーをつけて、いつも通り一晩眠るだけで、無呼吸の回数と睡眠中の酸素の状態がわかります(機器は当院でお渡しします)。
より精密な検査(PSG)が必要な場合も、当院ではご自宅で行える在宅型PSGに対応しています。検査機器がご自宅へ直接届き、装着して一晩眠って返送するだけです。
従来は1泊入院が必要だった検査ですが、お仕事や育児を抜けられない方も、入院せずに診断まで進められます。

中等症以上の方の標準治療はCPAP(シーパップ)です。睡眠中に鼻マスクから空気を送り、気道が塞がるのを防ぎます。いびき・無呼吸・日中の眠気・起床時の頭痛が改善する方が多い一方、実感の程度や時期には個人差があります。
CPAPで無呼吸を抑えることは、夜間の低酸素と血圧上昇を減らし、睡眠中の心臓・血管への負担を軽くすることにつながります。装着時間と残存無呼吸を確認し、使いにくさがあればマスク・圧・加湿などを調整します。
定期の診察では、CPAPの使用データ(装着時間・無呼吸の残り具合)を確認するだけでなく、血圧・体重・採血結果とあわせて全身を評価します。
軽症の方やCPAPが合わない方には、近隣の歯科へご紹介してのマウスピース治療や、減量・飲酒・寝る姿勢の工夫など、状態に応じた選択肢をご提案します。減量が進むと、無呼吸そのものが軽くなることがあります。
当院では、CPAPの使用データと、血圧・体重・採血結果をあわせて評価します。遠隔モニタリングを併用し、状態が安定していれば通院は2か月に1回程度です。生活習慣病の管理とまとめて、同じ日に済ませられます。
転院をご希望の場合は、現在の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)をお願いしています。CPAP治療を保険診療で正しく引き継ぐには、診断時の検査結果や治療経過の情報が必要なためです。
転院のための紹介状作成は医療機関にとって日常的な依頼ですので、どうぞ気兼ねなくお申し出ください。
必ずしもそうではありません。CPAPは無呼吸を「治す」のではなく「抑える」治療なので、原因が残っている間は継続が基本です。ただし、減量により無呼吸そのものが改善すれば、再検査のうえで卒業できる場合があります。当院ではCPAPと並行して、減量にも取り組んでいただきます。
痩せていても、あごの形などにより無呼吸を起こすことがあります。また一人で寝ている方は、いびきや呼吸停止を指摘される機会がありません。日中の眠気、起床時の頭痛、夜間頻尿、下がりにくい血圧などがあれば、ご自宅での簡易検査を検討します。簡易検査の結果によっては、より詳しい検査が必要です。
眠気などの自覚症状がなくても、無呼吸による夜間の低酸素と血圧上昇は起きており、心臓・血管への負担は蓄積します。症状の有無ではなく、検査の数値で治療の要否を判断することをおすすめします。
ご家族から指摘を受けた方は、その内容(いびきの大きさ、呼吸が止まる様子)を教えてください。可能なら、睡眠中の動画を撮ってきていただくと、診断の大きな手がかりになります。
健診結果やお薬手帳もあわせてご持参ください。
※紹介状がなくても受診できます(CPAP治療の転院をご希望の場合のみ、紹介状が必要です)。
TEL:048-290-8051